1周年を迎え、ドゥーラ活動について思うこと、今後の活動について

最近ずいぶん更新が滞ってしまっています。。。

ドゥーラ活動も、9月で1周年を迎えました。クライアントさんの赤ちゃんたちも1歳の誕生日を迎え始め、嬉しいお便りを頂いたりしています。駆け足でここまでやってきて、本当にもう1年も経つのか、という気持ちと、また自分なりに成長した部分もあって、あれ、まだ1年なのだな、という気持ちと両方入り交じっています。

ここ最近の心境と今後の活動について、バース・ドゥーラになることを考えている人への参考になるかもしれませんので、以下、かなり本音で書かせて頂こうと思っています。長くなりますが、よろしければお付き合いください。

今の段階で、ドゥーラ活動に関して思うのは、やはり、やりがいのある仕事である、ということが一番です。ただ、体力的にも、時には精神的にも、非常にしんどい仕事でもあります。また、費やす時間や家族への負担を考えると、報酬も決して大きいものではありません。それでも続けたいと思うのは、本当に、やりがいを感じられるから、という一言に尽きると思います。そして、その「やりがい」は、クライアントさんとの信頼関係を築き、赤ちゃんの誕生という、とても重要な瞬間を共有できることから来ています。

去年、ドゥーラの勉強を始めたばかりの頃は、実は、本業の翻訳をやめて、ドゥーラ一本でやっていこうか、ぐらいの勢いでしたが、1年経ってみると、ぼちぼちと息の長い活動がいいかも、と思っています。ぼちぼち、というのは、年間多くて7〜8人のクライアントさん(1ヶ月半に一人くらい)をとるくらいのペースです。

それは、娘がまだ小さいということもあり、家族への負担を少なくしたいということも大きいです。具体的に家族への負担というのは、出産予定日の2週間前からOn-callが始まり、いつ出動してもよいようにしておくため、比較的時間に融通のきく夫(現在大学院生)や仲の良い友人に協力してもらって、もし娘が学校に行っていない間に出動する場合、そのケアをどうするかを考えておかなければなりません。娘は、かなり社交的で自立心が強いので、人に預けることに関しては、全く問題はないのですが、預かってもらう夫や友人には、やはり負担がかかっているのでは、と思います。(お子さんによっては、預けることで、お子さんにも負担がかかる場合もあるかもしれませんね。)もちろん、娘がもう少し大きくなって、学校に行っている時間が増えれば、状況や心境も変わってくるかもしれません。ドゥーラ一本でやっている人はたくさんいますし、そのような方たちは、月に4〜5人のクライアントさんをとっています。

体力的にしんどい、と書きましたが、これは、想像しやすいと思います。お産は個人差がありますが、非常に長引く場合もあります。これまで一番長く付き添わせて頂いたクライアントさんで12〜3時間くらい、一番短かったのは5時間くらいでしょうか。短い場合は、お産がとても早く進んで、出産での関わりが少なかった場合に、産後少し長めにとどまって、身の回りのお手伝いをしたり、授乳のお手伝いをしたり、医療スタッフとのコミュニケーションを言葉の面でお手伝いしたりしたり、上のお子さんの面倒を見たり、というケースでした。お産に付き添う時間の長さ自体もそうですが、出動する前に充分睡眠が取れているかも大きく関係します。ドゥーラは、真夜中に出動することも多いです。前の日にほぼ睡眠ゼロのまま夜中に出動、その後12時間ほど付添い、ということもありました。私は年齢的にも(アラフォーです)、このような後は1週間ほど後を引きます。

精神的にしんどい、と書きましたが、これは、人によって、過去の経験によって、何をしんどいと思うかは、いろいろなケースがあると思います。私のこれまでの経験では、クライアントさんが思っていたような出産にならなかった場合、病院の医療スタッフの対応にストレスを感じた場合、クライアントさんや赤ちゃんの健康を心配した場合、などが挙げられます。

特に、3つ目ですが、私自身が息子を亡くしていることもあって、他人から見れば大ごとと思われないことでも、表には見せてはいけないし、見せていませんが、内心、かなり心配してしまうこともあります。

また、これは本当に珍しいことで、ドゥーラ人生の中でも1度あるかどうか、という経験かとは思いますが、あるクライアントさんの産後訪問中、(おそらく胃から戻した母乳と粘液で)喉を詰まらせる、ということがありました。すぐに赤ちゃんの体を起こし、911に電話し、すぐに(主観的には、すぐに、とは感じられませんでしたが)赤ちゃんが詰まらせていたものを自分で吐き出し、そこに消防士がかけつけ、、、と大事に至りませんでした。が、この経験は、かなり長く(赤ちゃんが誕生から1ヶ月過ぎて、元気にしているという便りを受け取るまで)引きづりました。(皆様、ぜひCPRのクラスを受けてください。私も、再受講するつもりです。)

お産は、大抵は「ノーマル」である、と思い始めていた矢先のことで(お産自体はもちろん「ノーマル」だったのですが)、身を引き締めさせられる経験でもあり、謙虚な気持ちになるとともに、自分の精神状態に深く影響するため、ドゥーラの仕事に対する自信をなくさせる経験でもありました。CPRのクラスを再受講したり、母乳やベビーケアのクラスを受けたりすることで、また自信を付けて行くことになると思います。

さて、今後の活動ですが、
もちろん、ドゥーラ活動は、ぼちぼち、負担のない範囲で続けて行きたいと考えています。ただ、夫が近いうちに卒業を目指していて、将来が見えない(引っ越しの可能性も含め)、ということもあり、現在のところ、新しいクライアントさんのご予約を受け付けていません。はっきりと決まったらまたお知らせしたいと思います。

妊娠サポートグループは、これまで一緒にやってきたもう一人のファシリテーターAさん(日本の助産師さん)が帰国されますが、引き続き開催して行く予定です。誰かまた協力してやっていける人がいたらいいなぁ、とは思っていますが。。。

また、ドゥーラ活動の一環として、英語が苦手という理由で出産準備クラスを受けない、という方のために、ドゥーラの観点からプライベート・クラスをしていますが、教育が大事、ということを痛感しており、また、学ぶことも教えることも好きということもあり、こちらの方をさらに充実させていければ、と思っています。いずれかの団体の認定を受けることも念頭に入れています。

私は、バース・ドゥーラですが、産後訪問もしますので、もっと産後のことを学ぶために、ポストパータム・ドゥーラの認定を受ける勉強を始めようかと思っています。これは、バース・ドゥーラ活動への自信をつけることにもつながると思っています。

それから、今の翻訳業を活かして、お産に関する重要な本を翻訳できればとも思っていますが、これは、いろんなレベルで、いい出会いがないと難しいし、精力的に動く必要もあると思いますので、まだ雲をつかむような段階です。ただ、ぜひクライアントさんに紹介したい/翻訳したい、という本は、すでに何冊かあり、実現できれば嬉しいのですが。

Kara(grief support)のクライアントさんも出来て、週1のペースでお会いするため、カウンセリングに関しても、ボランティアなりに、もっと勉強を深めていければと思っています。この勉強はドゥーラ活動にも役立つと思っています。

と、いろいろとしたいことはありますが(特に勉強を深めることが中心ですが)、ぼちぼちと、少しずつ、という感じにはなると思います。

1年前、始める前には、思ってもみなかったですが、ドゥーラの仕事は、本当に奥が深く、お産がある度に学びがあります。もちろん、しんどいこともあるのですが、やりがいは、それ以上のものであるとも思います。今後、日本人のドゥーラが出産、産後ともに増えて行ってくれればと願っています。