ドゥーラ(出産付添人)とインフォームド・デシジョンについて考えること

二人目の妊婦さんが、無事、元気な赤ちゃんを出産されました! 

プライバシーの問題がありますので、個人が特定できるような情報は書けませんが、これまで考えさせられた個別の事項について、例えば、無痛分娩(硬膜外麻酔)や誘発分娩などについては、また書きたいと思っています。

そして、これは二人の方のサポートをして強く感じたことなのですが、

おそらく一般的に、ドゥーラは、自然分娩において陣痛を乗り切るための様々なツール(手段)を提案するのが一番の役割と考えられているのではないかと察するのですが(実際、私もそう考えていましたし、それもとても大事なことではあるのですが)、

しかし、無痛分娩が50%、帝王切開がおよそ3人に一人、という、時に必要以上とも思われるほど医療介入の多い米国の状況において、最も重要なドゥーラの役割というのは、実は、妊婦さんとそのパートナーの方が、いかにインフォームド・デシジョン(informed decision: 十分な情報に基づいた決定)ができるようサポートすることではないか、と感じています。

自分にとって最良の判断をするためには、医療介入を提案された時に、妊婦さんとパートナーの方が自ら、医療スタッフに質問できるよう準備しておかなければいけません。具体的には、以下のような質問です。

1. What is it? どういう措置か?
2. Why do we need it? Pros and cons. なぜ必要か? プラス面とマイナス面は?
   Benefits for mom and baby? 母親と赤ちゃんへのメリット
   Risks for mom and baby? 母親と赤ちゃんへのリスク
3. What if we don’t do it? もし、その措置をしなければどうなる?
   Alternatives? その他の方法はあるか?
4. How long to decide? Time to discuss. 考えたり話し合ったりする時間はあるか?

もちろん、緊急の場合、医療的に必要と判断される場合は、速やかに医療スタッフの指示に従う、ということも念頭に入れつつ、ですが。

ドゥーラの立場から言えば、もちろん自然分娩が最もお母さんにも赤ちゃんにもやさしい方法であると思いますが、どのようなお産にしたいのか、というのは、結局、妊婦さんとパートナーの方が決めるべきことです。リスクに対する受け取り方も、人によって千差万別でしょう。十分な情報を得た上で、ご本人が決定された、ということが、最終的なお産の満足度につながるのだろうと思います。

私の今後の課題は、いかにインフォームド・デシジョンのための土台作りをするかということ、また、医療の立場からではない情報提供も、判断を誘導することなく、いかに簡潔かつ的確に行うか、ということです。